第12回は、「古い着物の仕立て直し」についてお話します。思い入れのあるきものなのに、タンスの肥やしになっている…そんなきものを蘇らせる“仕立て直し“について、知っておいていただきたい注意点があります。
きものの仕立て直しについて
おばあちゃまやお母さまのきもの、またご自分が若いころに着ていたきものは、思い入れがあり大切に残したいものですね。このきものたちを生まれ変わらせてくれるのが“仕立て直し”です。
生まれ変わったきものをお渡しすると、皆さまにとても喜んでいただけるので、私たちにとってもやりがいのある素敵なお仕事です。
仕立て直しができないきもの
しかし、残念なことに中には様々な理由で仕立て直しができないものもあります。
仕立て直しのきものをお預かりしたら、まず下記の点を確認します。
①サイズは足りるか
古い生地は巾が狭く、仕立て直しに必要な寸法が取れない場合があります。
②カビの状態
万が一カビがあっても、完全にカビ落としができる状態かどうかを調べます。
③生地が痩せていないか
きものをお預かりした時点で、仕立て直しが難しいと判断できれば、作業に入る前にご依頼者にお伝えできるのですが、実際にはほどかないと分からない部分に仕立て直しできない理由が隠れていることがあります。
ほどいた後で仕立て直しできないと判明することも
仕立て直しを進める手順として、まずきものをほどいて反物の状態に戻し、洗い張りを行い、それからあらためて仕立て作業に入ります。
そのため、最初にほどき作業を行うのですが、前述の通りほどいてから仕立て直しができないことが分かった場合は、元のきものの状態に戻すことはできないのです。
その時はご相談させていただくことになります。
大切なきものを仕立て直して、長くお召しいただけると良いのですが、残念ながらできない場合もあることもご承知おきください。
ほなおおきに(^▽^)次回もお楽しみに~!