お顔に近い部分なので、きちんと感・こなれ感・色っぽさなど、着姿の印象を左右します。
今回は“衣紋の抜き加減”についてお話します。
“衣紋の抜き加減”の基本
Point 1:抜き加減の目安は『こぶし一個分』
Point 2:衣紋の角度は横から見て『45度』
あくまで一般的な抜き加減の目安。体型やきものの種類、TPOによって抜き加減を変えるという場合も。
つまり着方一つで着姿の印象が左右するので丁度いいバランスの抜き加減を探してみてはいかがでしょう。
一般的な衣紋のルール
年相応の着こなし:若い方・ご年配の方は抜き加減は控えめに
抜きすぎるとだらしない印象に。控えめのほうが年相応の上品な雰囲気に。
体型別の着こなし:ふくよかな体型の方や首が短めの方はやや多めに抜くとバランスが◎
衿合わせの時点で、両衿をゆったりとゆるめると衣紋も抜きやすく、体型に合った着こなしに。
衣紋の抜き加減一つで着姿が変わり見る人の印象も変えます
抜きが浅いと着慣れてない堅苦しい印象に。
一方、大きく抜きすぎると品がなく、だらしない印象に。
“衣紋の抜き過ぎ”は思っている以上に肌が丸見えになります。
きものに慣れてきて、こなれた感じでつい衣紋を抜きすぎてしまう方いませんか?
座っている時、後ろの方に肌が見えてしまいます。
年齢、体型、TPOを踏まえて品よく、丁度いいバランスを。
Memo
直接自分の目で見ることができない部位なので、鏡でチェックしたり、家族や友人に写真を撮ってもらい客観的に自分の着姿を見てみることもおすすめです。
衣紋の形はお好みで
まずはベーシックなU字型で着てみましょう
U字型の場合、衿のカーブを広くとることができるため首元左右の両衿にゆとりがとれ、半衿の汗や化粧汚れの防止にもなるのでおすすめです。
もちろん、「首・うなじを細く見せたい」、シャープな印象を与えるV字型が好みの方もいるでしょう。
着る方の年齢や雰囲気、体型、TPOに応じて着方を選んでみてはいかがですか。
柔らかで優しげなライン
両衿にゆとりができるのがメリット
シャープで粋なライン
首が細く見えるのがメリット
とんがり過ぎないように
ほどよいV字を意識しましょう
着付け後の“衿詰まり”のお直し方法
襦袢の段階で衣紋の抜き加減がバッチリでも、きものの自重や着付けを進めているうちに衣紋が詰まってきてしまうことも少なくないでしょう。
【お直しのポイント】
きものをたくしあげ、腰辺りの襦袢の掴み、肩山自体を後ろにずらすように布全体を軽く引っ張って衣紋の詰まりを解消。
衣紋抜きが付いている方は同様に引っ張って調整をしましょう。
最後はきもの・帯の垂れなど全体を整えて完成。
「衿が詰まりやすい」「衣紋が抜きにくい」というお悩みの方は・・・
『衿肩あき』『繰越』といった衿まわりの寸法を相談してみてください。
体型に合ったマイサイズの長襦袢・きものなら着付けも楽です。
お好みのマイベスト寸法を探ってみるのもおすすめ。
着姿も美しく、格段に着やすくなり快適なきものライフになるでしょう。