蚕糸支援事業
幻の国産蚕「太平長安」が紡ぐ未来
Reborn The Silk
プロジェクト
2023年に創業40周年記念事業としてスタートし、その後もCSR活動の一貫として取り組んでいる日本の蚕糸支援事業「Reborn The Silk プロジェクト」は今年で4年目を迎え、順調に拡大を続けています。
約1年間にわたって蚕の飼育から製糸、製織、染色等を経て反物を作り、きものや帯に仕立てる同プロジェクト。その特長や新ブランドの発表、さらにプロジェクトとのコラボから生まれた展示会などをご紹介します。
日本の蚕糸業の伝統技術や文化継承のために
かつて日本では富岡製糸場の繁栄をはじめ生糸の生産が盛んでしたが、近年は減少の一途をたどり、ほとんどを輸入品に頼っているのが現状です。
生糸は日本の伝統文化であるきものや帯に欠かせない原材料であり、養蚕は明治時代の文明開花を大きく推進させた世界に誇る一大産業です。
大切な伝統技術や文化の継承のために、国内の蚕糸業を支援する一助になればという想いから「Reborn The Silk プロジェクト」を立ち上げました。
【太平長安(太平×長安)】の復刻
このプロジェクトでは長らく幻とされてきた国産の蚕「太平長安(太平×長安)」を復刻。
日本の蚕糸業に貢献した片倉製糸紡績(現 片倉工業株式会社)開発による富岡製糸場全盛期の名品種です。
太平長安の蚕が紡ぎ出す糸は細く丈夫で、ハリと軽さを併せ持つ美しい生地になるといわれています。
国内はもちろん、世界中から高い評価を受けていましたが、現代では幻の蚕となり、貴重な「蚕品種」は大日本蚕糸会に引き継がれて維持保存されています。
2023年に孵化した卵は2箱(約4万粒)でしたが、その後順調に拡大を続け、2026年は10箱(約20万粒)まで増加予定です。
卒業生も見学
2023年6月下旬、長野県駒ヶ根市の養蚕農家を卒業生3名が訪ね、4万頭の蚕が元気に桑の葉を食む姿や、養蚕家・竹内さんのお話に耳を傾けるなどして、貴重な体験を楽しみました。
当日は地元新聞社も取材に駆けつけ、プロジェクトの内容や熱心に観察する卒業生たちの様子が翌日の新聞に大きく取り上げられました。
オリジナルブランド「Arcsilk(アルクシルク)」
仕立てたきものや帯は、オリジナルブランド【Arcsilk(アルクシルク)】としてきもの愛好家の元へ届けられています。
ARC(アルク)はフランス語で「架け橋」を意味し、このブランドが日本文化のきものを未来へつなぐ「架け橋」となるように、またきもの姿で「歩く」人たちがもっともっと増えるように、という思いが込められています。
オリジナルブランド「Arcsilk(アルクシルク)」を国技展で紹介
「Reborn The Silk プロジェクト」から生まれた太平長安の生糸を用いて、次世代の職人が創作したきものや帯が、2025年に開催した日本工芸国技保存会主催の「第1回 国技展(日本工芸国技保存会展覧会)」にて紹介されました。
国技展は各地で好評をいただき、引き続き2026年も開催中です。
日本和装は、今後も「Reborn The Silk プロジェクト」を通じ、国内の蚕糸業の支援と和装文化の継承に尽力してまいります。
進化するプロジェクトの今後の展開にご期待ください。